子供が、CMT3の可能性はないのでしょうか?

質問

わが子が病院で「PMP−22の重複を認めたので、CMT1Aです。」と言われましたが、CMT3の可能性はないのでしょうか?

回答

一般の脳神経内科専門医でも混同してしまう人がいるかもしれませんが、かつてCMT3と言われた乳幼児期に症状が現れる遺伝性末梢神経障害の原因遺伝子は一つではありません。CMT1AのPMP22遺伝子(この場合、重複ではなく点変異)、CMT1BのMPZ遺伝子、CMT1DのEGR2遺伝子の他、CMT4Fのペリアキシン遺伝子も早期発症の遺伝性末梢神経障害の原因となることがあるようです。

上に書いた、どの遺伝子が原因であっても、3歳未満でCMTの症状を示す状態のことを、デジェリン-ソッタス症候群と呼んでいました(近年は早期発症の遺伝性末梢神経障害の病態がさらに多様であることがわかってきており、デジェリン-ソッタス症候群の名称も使われなくなりつつあります)。

これをCMT3と表現するようになってしまったのは、CMTの遺伝子の研究が進む以前の時代のことです。CMT3という呼び方は、CMTを専門に研究する先生方の間では現在殆ど使わないようです。